フンメル人形を少し紹介

☆ フンメル人形って知っていますか。 ☆

 フンメル人形とは,バイエルンのズィーセン修道院の修道女マリア・イノセンティア・フンメル(Maria Innocentia Hummel、1909-56)が描いた愛らしい子どもの絵を人形化したものです。
 フンメルは,小さな頃から絵を描くのが得意で、専門学校で絵を学びました。しかし,時は第二次世界大戦前夜であり,自由に絵を描くことが難しい時代でした。そこでフンメルは修道院でシスターになることを決意し,シスター・マリア・イノセンティア・フンメルとなりました。
 フンメルの絵が広く知られるようになったのは,ズィーセン修道院が宗教的な芸術や本を出版している会社へ,フンメルの絵を送ったことが始まりでした。フンメルはシスターとなった後も絵を書き続けていたのでした。出版物にフンメルの絵が掲載され,フンメルの描いた子どもたちの絵が印刷された絵葉書が評判を呼びました。
 そして,その絵葉書を見た当時のゲーベル社の社長が,フンメルの絵の人形化を提案しました。それがフンメル人形の始まりで1935年のことです。フンメルが描く子どもの持つ「無邪気さ」に心打たれたのではないかと思います。
 2008年に販売の急激な落ち込みにより,製造中止になるまでの間,フンメル人形は世界中の人々に愛されてきました。残念ながら生産は中止されてしまいましたが,無邪気な表情の人形たちは,これからも世界中の人々に愛され続けることでしょう。
* ゲーベル社(Goebel)は,バイエルン州北部のコーブルク近くにある1871年に創業した会社です。また,スペインのリヤドロと並んで世界的に有名な高級陶磁器人形ブランドとして知られています。


☆ クマとノコのコレクションです。 ☆


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↑ 小さな女の子が,大きなスリッパを履いて,大きなエプロンをつけて一生懸命洗濯物を干しています。これが最初に買ったフンメル人形です。W.Germany1987と裏面に記されています。大きさは僅か7.5センチです。



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↑ 日本のデパートで,以前ミニ・フンメル人形展をやっていた時に買いました。最初に女の子を買ったので,次は男の子が欲しいと思っていたところでした。ゲーベル社のマイスターが,来店されていたので,裏面にサインをいただきました。



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↑ ドイツらしい小さな駅員さんの人形です。子どもと台座は別売りだと思っていたら,セットだとお店の方に笑われました。それほど,お値打ちなお値段がついていました。裏側も手を抜かず,お花や窓が描かれています。路線図には,ゲーベル社のあるコーブルクの駅名もあります。



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↑ 以前にテディベアの記事で紹介しましたが,シュタイフ社とのコラボもあります。女の子がテディベアを引っ張っている姿が可愛くて,フンメル人形の魅力にまいって購入しました。高いものと高いもののコラボですので値段はう~んでしたが,衝動買いしちゃいました。



 製造中止になる何年か前には,生産拠点を東南アジアに移転し,廉価版を制作していた時期があったようです。MADE IN Germanyにこだわるクマとノコとしては,少し残念に思っていた記憶があります。
 現在は,中古市場と一部の店頭在庫だけとなり,入手が年々困難になっています。少しずつ揃えようと考えていたクマとノコには,大変残念な状況です。どこかの会社が権利を買取り,フンメルの子どもたちを再び世に送り出して欲しいと願っています。