小箱の部屋の小さな世界
ドイツのエルツ地方の木のおもちゃには,くるみわり人形,ピラミッド,煙出し人形,シュヴィップボーゲンなどの比較的大きなものから,小さな小さなミニチュアまであります。このミニチュアたちは,貧しかったエルツ地方の人たちが,大きな木のおもちゃの端材から何か作れないかと工夫して始まったとも言われています。現在では,以前に紹介した「ミニチュアの部屋」,「マッチ箱シリーズ」や小さなお人形たちなど,多くのレパートリーがあり,端材の活用ではなく,最初からミニチュアのために作られています。
今回紹介する木のおもちゃは,クマとノコの大好きなマイスターの一人,フラーデ姉妹です。姉のAnnelie Wiltnerと妹のKerstin Drechselが,Helmut & Trate Fladeから工房を引き継いでFlade & Wiltnerとして,エルツのオルベルンハウで1990年からミニチュア作品を専門に作り続けています。(オルベルンハウは,ザイフェンのとなり町で,くるみわり人形博物館もあります。) 姉のAnnelie Wiltnerは,いろいろな屋台のシリーズや,屋台とほぼ同じ大きさの小箱の部屋シリーズを作っています。妹のKerstin Drechselは,麻の髪の毛が特徴で,おもちゃを持った天使のシリーズや同じくおもちゃを手にした愛らしい子どもの作品が中心です。
この外装の中に小さな部屋の世界が広がっています。ドレスデンのクリスマスマーケットのようです。
クリスマスマルクト おもちゃ屋さん
くるみわり人形や天使の人形,木馬などが並んでいます。
テーブルの上に天使と鉱夫の燭台があります。
ザクセン州の伝統的なレース編みの様子です。棚には完成品が入れてあります。
レープクーヘンなどクリスマスのお菓子が並んでいます。真ん中はクグロフかもしれません。
天使の部屋にはおもちゃが一杯です。左側は手足が動くハンペルマンのようです。
今回は姉のAnnelie Wiltnerの作品でしたが,以降は,妹のKerstin Drechselの作品を紹介します。次回は,壁掛けタイプの小さなお人形たちを紹介する予定です。